2020年11月08日

「反省」の理由

 テレビドラマの紹介記事を見ました。
 主人公は、75年前の戦争で軍歌を作曲した人という設定でした。ところが、敗色濃厚になるにつれ、自分の仕事に悩み、敗戦後は普通の曲を作るようになった、とのことでした。
 もちろん、この人が軍歌を作るのをやめたのは戦争に負けたからです。仮に戦争に勝っていれば、勝利に貢献したとさらに持て囃され、本人も何の「悩み」もなく、軍歌を作り続けていたこと間違いありません。
 戦争を推進・協力していた人々が、このように「敗戦によってこれまでやっていた事の都合が悪くなった」ことを、「戦争のおかしさに気づいた」「軍部に騙されていた事に気づいた」などと言い訳する事例は多々ありました。
 そのほとんどが占領国の都合もあって免罪され、責任も取らずにすみました。
 この人達にとってそれは幸せな事だったのでしょう。しかし、その結果、「責任を取らない」風習が根付いてしまったように感じています。
 そのツケをいつまでも支払わずにすむとは思えません。
 見てもいない番組ですが、その紹介文をみながら、そんな事を考えました。

2020年11月08日 20:53