2019年12月03日

白鵬関のかち上げと張り手

 先日の九州場所で通算43回目の優勝を果たした白鵬関に対し、2つの週刊誌が「かち上げと張り手の多用は横綱らしくない」と横綱審議委員が言ったという記事を発表しました。
 「横綱らしい」という言葉自体、かなりいい加減なものです。おそらくは、立ち会いから四つに組んで寄り切りや上手投げで勝つ相撲をいいたいのでしょう。
 しかし、それだと、今から100年くらい前に、突っ張りで圧倒的な成績を残した、横綱・太刀山関も「横綱らしくない」という事になってしまいます。
 何が「横綱らしい」かはともかく、白鵬関が相撲のルールにのっとって技を出している以上、それに文句をつけるのは筋違いです。
 ちなみに、相撲のルールでは、両手で同時に張り手を行うのは危険だから反則となっています。逆に言えば、白鵬関が得意とする片手での張り手は、相撲のルールを遵守した技であり、問題視するほうがおかしいのです。
 現在、白鵬関の優勝回数は43回で、それまでの最高記録だった32を大幅に上回っています。
 当然ながら、それだけの桁違いの優勝を果たした理由の中に、かち上げや張り手の有効活用があるわけです。
 その活用は褒められる事はあっても、けなされる事ではありません。
 どうしても相撲としておかしいというのなら、「自粛要請」でなく、ルール変更で張り手やかち上げを禁止すればいいだけの話です。彼らがそれを主張するなら、一理ある主張と言えるのですが…。
 というわけで、一連の「かち上げ・張り手批判」を見るたびに、その質の低さに呆れています。

2019年10月21日

野球賭博今昔

 昨日のことですが、相方が日本シリーズを見ていました。
 パソコン作業中、音が耳に入ってきましたが、途中から出てきた投手の名前にちょっと驚きました。
 数年前、その投手が野球賭博をやっていた事がばれ、失格選手になったというニュースを記憶していたからです。
 同姓の別人かと思ったのですが、調べたところ、まごうことなき本人でした。
 何でも、一年間の謹慎後、選手に復帰したとの事でした。
 1970年代前半に、「黒い霧」という事件があり、ちょっと野球賭博勢力と接触しただけで、永久追放された選手が少なからずいました。
 それを知っていただけに、ちょっと驚きました。
 まあ、その賭博投手を起用した監督は、女性問題を起こし、暴力団に億単位のカネを払った事で有名な人物です。
 そういう意味では、日本プロ野球界のモラルが地に堕ちた象徴みたいな組み合わせだと思いました。

2019年10月20日

「日本代表」いろいろ

 今日、居酒屋に行ったら、ラグビーワールドカップの中継が流れていました。
 ラグビーはルールすら知りません。ネットなどで日本代表が勝ち残っている事は知っていましたが、「そんなニュースがあるな」程度の関心しかありませんでした。
 周りのお客さんにはプレーに歓声を挙げている人もいましたが、ルールすらわからない自分にとっては、球技の試合をやっているな、という認識しかありませんでした。
 その後、帰宅したら日本代表が負けた、というニュースが流れていましたが、もちろん、感想は同じでした。

 そんな自分ですが、14年近く前に行われたWBCの時は、日本代表チームを熱心に応援したものでした。
 それまでの五輪と違い、大リーガーも含めたプロ野球のトップ選手で組まれた初のチームでした。当時は、熱心にプロ野球を見ていたので、出場する選手については、多くの情報を持っていましたし、思い入れもありました。
 だからこそ、応援できたわけです。
 ちなみに、それから数年後、野球への興味が薄れたので、第2回以降のWBCはほとんど見ていません。
 あと、一時期サッカーを熱心に見ていた時期もありました。しかし、応援していたチームはJ2の愛媛FCで、日本代表に選手を出すようなチームではありません。
 それだけに、Jリーグは見ても、ワールドカップには興味を持てませんでした。

 そんな事を思い出しながら、「日本代表だから」という理由で、日頃から興味や関心のない分野のスポーツに熱中するのは自分には無理だな、と改めて思いました。

2019年08月17日

精神論のダメな例

 相変わらず、猛暑の真っ昼間に屋外で高校生に野球をやらせる、という異常な事が行われています。
 今日も、西宮市は「熱中症に注意」という、本来なら屋外の運動を禁じるべき状況でした。
 そんななか、ある学校が、投手に165球も投げさせたそうです。
 しかも、それを報じたスポーツ紙の見出しは「魂の165球」などと、無批判に持ち上げるものでした。
 これまで、その「魂の投球」とやらをやったため、10代で投手生命が絶たれた少年が多数存在します。にも関わらず、それを異常と指摘するどころか、美談として持ち上げる風潮が今でも存在しています。
 改めて異常さに呆れるとともに、一刻も早く、この野球大会に球数制限を導入し、かつ開催場所を屋内ドーム球場に変更すべきだと、改めて思いました。

2019年08月07日

甲子園大会2019

 甲子園の高校野球大会が始まったようです。
 最後に甲子園大会を観戦したのは10年前でした。
 椅子に座ったとたん、あまりの熱さにおどろき、20分で我慢ができなくなり、退散したものでした。
 そのときより、地球温暖化は進んでいるにも関わらず、相変わらず、この真夏の日中に野球をやらせているのですから信じられません。
 「虐待」と言っても過言ではないでしょう。
 まあ、以前よりは、選手である高校野球部員の人権や健康を気遣う論調が増えているのはわずかな救いではあります。
 いずれにせよ、一刻もはやく、「気象庁が外出を控えるような異常な暑さにも関わらず、日陰すらない場所で高校生に野球をやらせる」という異常な行為が一日でも早くなくなる事を願ってやみません。

2019年03月09日

「侍」の比率

 野球やサッカーの国際試合で、日本代表のことを「侍(さむらい)」と呼ぶことが当然のようになっています。
 侍というのは、江戸時代の身分制度であり、現在の民主国家であるはずの日本とは相容れないものです。
 ちなみに、自分の先祖は江戸時代に八王子で自営業をやっていた「商人」だったそうで、当時の身分制度ではかなり下の存在でした。
 そういうわけで、「侍ジャパン」だの「侍ブルー」なるものには、何一つ親近感を持てません。
 金持ちやそれに阿る人々が、働く人を低賃金でこきつかう世の中における常套手段の一つに、働く人を、金持ちと同じ階級だと錯覚させ、働くひとが見下すような下の階層を作って優越感を持たせる、というものがあります。
 この日本代表チームを「侍」とするのもそのような印象操作の一環なのだろうな、と思っています。

2019年01月16日

「枠」の悲劇

 横綱の稀勢の里関が引退しました。8場所連続休場・8連敗などの、残念な「横綱記録」ばかりが目立った晩年の相撲人生でした。
 稀勢の里関の横綱昇進の際には、これまでより甘い「昇進基準」が話題になりました。
 前の場所は、14勝して優勝した鶴竜関に2勝差をつけられた12勝3敗でした。次の場所で初優勝して横綱になったわけですが、これは「二場所連続優勝もしくはそれに準ずる成績」という規定を満たしたとは言い難いでしょう。
 おそらく、外国出身の大関が、稀勢の里関と同じ成績を挙げても、横綱に推挙される事はなかったのではないでしょうか。
 新横綱の場所は、終盤で明らかに出場が無理と思われる怪我をしながら、「奇跡的な勝利」を続けて優勝していました。その結果、怪我が尾を引いて、休場を続けて、以降、まともに相撲が撮れたのは一場所だけ、という結果に終わったわけです。

 もし、横綱昇進の基準に、出身国や国籍によるバイアスがなければ、普通に大関を続けられたはずです。「奇跡的な勝利」で新横綱優勝を果たした場所も、普通の大関だったら、怪我した時点で普通に途中休場し、大怪我にならなかったのではないでしょうか。
 日本出身で日本国籍を持つ人を横綱にせねばならない、という相撲協会・横綱審議委員会・それを取り巻く人による「日本人枠」特例による横綱昇進が、稀勢の里関の相撲人生を縮めてしまったわけです。
 これを機に、このような「日本人枠横綱昇進」はやめてほしいものだと思いました。

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