2020年10月26日

育成選手

 プロ野球のドラフト会議がありました。
 今のプロ野球はほとんどわからないのですが、指名一覧を見たら、「育成選手」を10人くらい指名していた球団がありました。
 この制度、最低年俸240万円でプロ球団に所属し、二軍以下の試合に出れる、というものです。
 年収240万円ということは月給20万円そこから税金や社会保険などを引けば、手取りは10万円台後半です。東京あたりで最低賃金でフルタイム勤務している人とさほどかわりはありません。
 もちろん、実績を挙げれば、一軍のプロとして活躍できます。中には育成で入団してから年俸3億円まで上り詰めた選手も二人ほどいます。
 しかし、それはあくまでもレアケースです。大抵は、低賃金のまま、数年で契約解除されるわけです。
 この制度が導入されたのは今世紀に入ってからです。そして今世紀に入ってから、日本は「先進国」では唯一の実質賃金が下がり続ける国になりました。
 育成選手制度が導入された当時はピンときませんでした。
 しかし、この「一球団で10人の育成選手」リストを見た時は、「賃金が下がる日本」のプロ野球版と言うべき制度だったのだな、と遅ればせながら気づきました。

2020年10月26日 23:59