2020年04月16日

「できない理由」と「できなかった理由」

 何か新たな事をやろうとすると、「できない理由」を並べ立てて反対される事があります。
 もう20年前の話なのですが、その時にいた職場で、これまでやっていなかったクレジットカード販売を導入しようとした事がありました。
 すると、「本当にあるかどうかわからないクレーム、かつ別にクレカ払いでも対応できるもの」を挙げてきて、「こうなったらどうするんだ」と言われたものでした。
 結果的には無事導入でき、しかもそのような「レアケースのクレーム」で困った事などもなかったのですが…。

 というわけで、「できない理由」を並び立てるのは好きではありません。
 ただ一方で、同じ反対でも「できなかった理由」には価値があると思っています。
 こちらが実際に何度もやってできなかった事を、またやってみようとする、という事例も少なからずあります。
 向こうとしては、「こんな簡単なこと、できるはずだ」と思っているのですが、実際に同じことをこちらは経験し、できなかった事が立証されているのです。
 そういう経験に基づいた理由は重視すべきだと思っています。
 もっとも、この考え方にも落とし穴はあります。
 たとえば、20年前はたしかにできなかったが、その後の技術や環境の変化でできるようになった、という事もあるからです。
 それも踏まえつつ、実証された経験と、反対するための空想的な過程を区別する必要性を感じています。

2020年04月16日 23:54