2019年12月02日

シンクライアント

 今から10年ちょっと前に、当時勤めていた会社で、シンクライアント導入を検討した事がありました。
 当時いた会社は、非常に拠点が多く、シンクライアントにして一括管理する、というのは全社のシステムをまとめて面倒見ていた身としては、かなりありがたいものでした。
 しかも、現場のPCの記憶装置にデータが残らず、すべてデータがサーバーに残る、というのも、退職者の多い職場なだけに、管理上助かると思ったものでした。
 結局、導入費用の問題と、各拠点の通信回線の細さから断念せざるをえなかったのですが、あのときの、研究調査や、ベンダーさんとのやりとりは、今でもよく覚えています。

 そんななか、今日の国会中継で首相が「シンクライアント」について語りました。
 内容を見て驚いたのですが、「シンクライアントは端末(つまり個々のPC)」にデータが残っていない。サーバーにはデータがあるが、保存期間が切れたら削除されるので復元できない、と堂々と語っていたのです。
 その「削除されたデータ」というのは、首相や政府にとって不都合なデータです。
 それがもう復元不可能、という嘘をつこうとしているわけです。しかしながら、シンクライアントに関する知識がちょっとでもある人がこの答弁を聞けば、「間違いなくデータが復元できる」という事はすぐにわかります。
 はっきり言って、王様が街中を裸で歩き回ったに等しい「答弁」だったと思いました。
 したがって、各マスコミが、正直にこれがいかにおかしいかを報じれば、あっという間に話は片付くはずです。
 とはいえ、これまでの経験から、商業マスコミにおけるこの答弁に関する記事が「王様は立派なお召し物をまとっていました」になるのは、火を見るより明らかです。
 実際、新聞社サイトには、既にそのような「記事」が流されていました。
 改めて、今の政治とマスコミに呆れ果てました。もちろん、同時に、これを何とか変えていかねば、という闘志が湧きました。

2019年12月02日 21:37