2019年10月15日

災害デマ

 年に数回の大水害がすっかり当たり前になった日本ですが、水害のたびにネットに流されるデマがあります。
 それは、「民主党政権のときに、『スーパー堤防』を事業仕分けで中止したため、今回の水害は防げなかった」というものです。
 この言説には何重ものデマが絡まっているのですが、とりあえず、一番明らかな事は、「スーパー堤防とは洪水を劇的に防ぐものではない」という事です。
 仮に「スーパー堤防」が完成していたとしても、今回の水害の軽減にはなりませんでした。
 ついでに、「スーパー堤防」の完成見込みを調べてみると、さらに興味深い事実がつかめます。お時間のある方は調べてみてください。

 もう一つ、今回の19号で流れたデマとして、「群馬の八ッ場ダムが直前に完成したので、利根川は決壊しなかった。八ッ場ダムには大きな効果があった」というものです。
 これも事実ではありません。だいたい、日本一流域面積の広い利根川の決壊を、支流のダム一つで防げるわけがありません。
 詳しくはこちらのサイトをご参照願います。
 なお、ネットでは、「八ツ橋ダム」という用語で、この「八ッ場ダム必要論」を投稿している人が多数いるそうです。
 ネットにせよ、商業マスコミにせよ、このたぐいのデマが平然と流れるのがいまの世の中です。
 もっともらしい言説をすぐに信じないことが、より重要になっているな、と思っています。

  2019年10月15日 22:40