2019年06月24日

言葉遣いの揚げ足取り

 新聞・TV・ネットなどに、よく「日本語の乱れ」なるものが特集されます。
 どれを読んでも、正しいかどうかもよくわからず、かつ枝葉末節なくだらない事ばかりです。
 一時期よく流行ったのは、レジ打ちの店員さんが「○○円からお預かりします」という言葉への批判でした。べつに「から」という言葉があろうとなかろうと、自分が出した金額とあっている事が確認できれば何の問題もありません。こんな事を批判するほうがおかしいとしか言いようがありません。
 数日前には「おられる」という言い回しはおかしい、というのを見かけました。
 これもまた別にどうでもいい事です。意味も通じますし、敬意を持っている事も伝わっているので何の問題もありません。

 だいたい、日本には津軽弁から沖縄言葉まで、さまざまな方言があり、それを使う人がいます。「言葉の正しさ」にいちゃもんをつける人は、それらの方言一つ一つの使い方が正しいか間違っているかを判断することでもできるのでしょうか。
 加えて言えば、様々な形で、他国から日本に来て、そこで生活する人がいるわけです。
 他国出身者はもちろん、その人から生まれた人も、親の母語が日本語でない以上、独特の日本語を使う事になるでしょう。
 そういう人の日本語について、「これは正しくない」などと文句をつける事が不適切であることは明らかです。
 こうやって考察していけば考察するほど、「正しい日本語へのこだわり」は百害あって一利なしである事がわかります。
 というわけで、この言い回しは正しいとか正しくないとか言っている人の言説は、読む価値がないと思っています。

2019年06月24日 23:32