2018年11月16日

「中立」の誤用

 「自分は中立の立場だが、AとBを比べればAが正しいと思う」という言説をよく見ます。
 おそらく、本人としては「中立」を自称する事により、「Aが正しい」という自分の意見に説得力が増すと考えているのでしょう。
 しかし、この短い言説は明らかに矛盾をしています。「中立」であるならば、「Aが正しい」という事にはなりません。なぜならば、その人は既に「A」の側に立っているのであり、中に立っていないからです。
 極めて初歩的な矛盾ですが、いろいろな人が使っているせいか、それを矛盾だと気づかない人が多々いるようです。また、だからこそ、この類の言説はなくならないのでしょう。
 ちなみに自分はこのような言説をする人は「あからさまな矛盾に気づけない論理性の低い人」かつ「本当はAの立場にいるのに、それを偽ろうとする嘘つき」という二つの理由で、絶対にその言説を信用しません。

2018年11月16日 22:17