2018年08月22日

酷使を美談にする異常さ

 高校野球の決勝が大きく話題になりました。
 片方の高校の投手が、一回戦から準決勝までずっと完投して勝ち上がり、マスコミのその投手の事を大々的に取り上げています。
 繰り返し書きますが、熱中症の危険があって激しい運動を控えると告知される気温のなか、真っ昼間の屋外球場で野球をやること自体がおかしいのです。
 ましてや、その中で圧倒的に激しい運動を強いられる投手を、一人しか使わないなど、虐待の一種だと断言できます。

 加えて言えば、この高校の快進撃が「美談」になったのは、決勝まで勝ち進んだからです。
 もし仮に、この高校が、投手の健康や将来を考え、複数投手でローテーションを回す体制を取り、その結果、エースが投げない試合で負けたらどうなったでしょうか。当然ながら、マスコミは見向きもせず、美談などは一切書かれなかったでしょう。
 そうせずに酷使をした結果、「美談」が生まれたわけです。これは極めておかしいのではないか、と改めて強く思いました。

2018年08月22日 21:59