2018年08月11日

「打ち水効果」の無意味さ

 地球温暖化に伴う酷暑が連日問題になっています。
 そんななか、二年後の真夏に開催される予定の東京五輪の「暑さ対策」問題が急浮上しています。
 しかしながら、それへの「対策案」は、妄想レベルといった酷いものばかりです。
 その中の一つに「打ち水」がありました。小池都知事自ら、路上に出て、ひしゃくで水をまいていました。そしてマスコミは「これで気温が二度下がった」などと絶賛していました。
 しかし、本当に効果などあるのでしょうか。
 今日の夕方、短時間ながら雨が降りました。
 その雨上がりの街を20分ほど歩きました。その結果、文字通り汗だくになりました。着ていたTシャツは、汗で完全に違う色になっていました。
 空から限りなく雨が降っても、その程度の「気温低下効果」しかないのです。「ひしゃくによる打ち水」などに何の意味があるのでしょうか。
 「打ち水は日本の伝統」などと言っていますが、それは、気温の低かった時代に、土でできていた道に水をまいていたものです。
 ここで「日本の伝統」を持ち出すならば、「焼け石に水」ということわざを使うべきでしょう。

 さらに、五輪期間中は「サマータイム」を導入し、二時間時計を早める。そうすれば、現在午前7時開始予定となっているマラソンは、実質的に午前5時開始になる、などというものがありました。
 マラソンを午前7時に開催するのは、アメリカなどのテレビ局の放映事情のためです。仮にサマータイムを導入したところで、TVの放映時間は変えられません。それを考えれば、「ならば、サーマータイムでの午前9時開始にせよ」と命令されるのがオチでしょう。
 なお、ちょっとシステムに携わっている人なら誰でも分かることですが、その2時間のサマータイム導入により、多大なシステム改修の必要性が生じます。そして、改修が間にあわず、多大なトラブルが発生するのも間違いありません。
 ある専門家は、兆円単位の損害が生じる、と試算していました。
 サマータイムがいかに兆害あって一利なしである事がよくわかります。

 もともと、「7月から8月の日本は、屋外スポーツに最適」などと大嘘を書いてIOCに提出したのが東京五輪なわけです。
 「打ち水」だの「サマータイム」だのが対策になるわけがありません。
 非常識な「真夏の五輪」は諦め、秋に開催時期をずらすなど抜本的な対策をとらねば、「史上最悪の五輪」になってしまうこと間違いないでしょうね。

2018年08月11日 21:19