2018年07月10日

「教える」ことの基本中の基本

 今世紀に入ってからやってきた仕事のうち、「他人にコンピュータの使い方を教える」がかなりの割合を占めています。
 今でこそ「本業」ではなくなりましたが、ちょくちょく、「パソコンを教えてくれ」という依頼を受けます。
 もちろん、いまだに「教え方を極めた」とは到底言えないレベルです。
 しかし、色々なレベルの人にコンピュータを教え続けた結果、一つだけ、「真理」にたどりつきました。
 それは、「何でこんな簡単な事がわからないのか」とか「何で同じ間違いを繰り返すのか」と教わる人を罵倒する「教え方」は100%間違っている、という「真理」です。

 二つの意味はほとんど同じです。いずれも、「教える側」にとって当然の事を、「教わる側」が理解していない事に怒っているわけです。
 しかし、自分に言わせれば、これは「教える人」が「自分はあなたに教える能力がありません」と宣言しているのと同じです。
 「教える人」にとっては、「簡単な事」なわけですが、「教わる人」にとってはそれが分からないから教わっているわけです。逆に言えば簡単ですぐに分かる事なら、教える必要などありません。
 「どうして同じ間違いを繰り返すのか」も同じです。それは単に、教える側が、「なぜ間違いなのか」をきちんと説明する能力がないからなのです。
 そもそも、「教える人」が「教わる人」に「何でできないんだ」などと質問すること自体がおかしい話です。そのできない理由を「教える」のが存在意義のはずなのですが…。
 長年、教え続けて、これくらいしか「真理」を習得できないのは残念ですが、とりあえずそれを理解できただけ良かったと思っています。
 できれば、これからもそのような理解を深めていければと思っています。

  2018年07月10日 20:01