2018年05月13日

漫画の好影響と悪影響

[ 漫画 ]

 漫画の影響を受けて趣味のみならず、仕事を決める人はたくさんいます。
 「キャプテン翼」を読んでサッカー選手を目指した人は海外にもいると聞きます。また、「ヒカルの碁」がきっかけで囲碁のプロになった人もいたはずです。
 つまり、漫画でいい影響を受けた人はいる、というのは誰もが同意できる事実なわけです。
 では、逆の場合はどうでしょうか。これに関しては漫画が好きな人からよく「悪影響はない」という言説が出されます。
 先日も、「ワンピース」を見て海賊になった人はいない。だから悪影響はないんだ、みたいな話をしている人がいました。しかし、これには疑問があります。

 日本で生きていて海賊になる事など、ほぼ100%不可能です。だから、「ワンピース」を読んでいようと読んでいなくても、海賊になる人はいません。つまり、この言説には全くもって意味がないのです。
 「ワンピース」はちょっと読んだだけでよく知りません。しかしながら、同じ少年ジャンプで大人気だった「北斗の拳」や「ドラゴンボール」などを読んでいて気になった事がありました。
 主人公やその仲間が強敵と対決し、勝利を重ねていきます。話が進むにつれ、敵も強くなりますが、主人公は一時的に敗れる事はあっても、最後は、友情と努力の成果で勝利を得ます。
 その際、道理を説いて強敵を倒すことはありません。常に、主人公たちの力によって、敵を倒していったわけです。
 もちろん、「北斗の拳」を読んで北斗神拳を習得した人も、「ドラゴンボール」を読んでスーパーサイヤ人になった人もいません。
 しかし、この「道理があろうとなかろうと関係ない。強い力を持つものが正義だ」というこれら一連の作品の考え方に影響を受けた人はかなり沢山いると思います。
 それを考えれば、「あの漫画の主人公と同じ事はできないから、その漫画に悪影響を受けた人はいない」という論法には無理があると思っています。
 漫画だろうと、小説だろうと、好影響も悪影響も人に与えるものです。それはやはりきちんと認識する必要があると思っています。

  2018年05月13日 18:42