2018年04月05日

「伝統」と時代遅れ

 相撲巡業の土俵上で倒れた人を、女性のお医者さんが土俵に上がって救助したところ、行司が「土俵から降りて下さい」と救命活動中にアナウンスし、さらに、救助が終わったあと、「清めの塩」を大量にまいた、というニュースを見ました。
 「女性は穢れているから土俵にあげてはいけない」という「相撲の伝統」があるから、というのが理由だそうです。
 しかし、その考え方そのものが、今では歴然たる女性差別であり、まともな社会では通用しない考え方です。

 ちなみに、「相撲の伝統」で有名なものに、「上位者は下位者に暴力をふるっても許される」というものがありました。
 1945年までの暗黒社会だった日本では当然の事ですが、もちろん、今の世の中でそれをやったら「傷害事件」以外の何物でもありません。
 実際、この「大相撲の伝統」を実施し、傷害致死で実刑判決を受けた親方がいました。しばらく前にも、「大相撲の伝統」を実践した結果、引退に追い込まれた横綱もいました。
 暴力が許されないのと同様に、女性差別も許されるものではありません。つまり、「土俵上は女人禁制」などという「大相撲の伝統」は、「上位者が下位者に暴力をふるってもいい」と同様に、もはや一刻も早く撤廃すべきものなのです。
 ついでに言えば、「外国籍の力士は引退しても親方になれない」もそのものズバリの国籍差別で、今の社会に通用するものではありません。即時撤廃すべきです。
 かつて相撲が好きだった者として、一日も早く、この異常な「大相撲の伝統」が撤廃されることを強く願っています。

2018年04月05日 23:22