2017年09月15日

「騙されたふり作戦」の顛末

 警察などの広報を熟知していたため、振り込め詐欺の電話を受けた人が、詐欺である事を見破りました。
 ところがその直後、警察を名乗る人物から電話があり、「騙されたふり作戦」で犯人を逮捕したい、ついては100万円を預けてほしい、と言われました。
 それに協力しようとして100万円を預けた所、それをまんまと詐取された、というオチになってしまいました。
 要は、最初から仕組まれており、相手が「騙されたふり作戦」に乗ることまで見越した上の詐欺だったわけです。

 相手方は、朝から晩まで、電話で金をだまし取ろうと画策し、電話をかけまくる「プロ」なわけです。それに対し、年に一回か二回、「振り込め詐欺電話」がかかってくるだけの一般人が対抗しようとして、勝ち目があるわけがありません。
 毎日、朝から晩まで将棋の研究をしているプロに対し、駒の動かし方を知っているだけの素人が勝とうとするくらい無謀な事です。
 にも関わらず、「騙されたふり作戦にご協力ください」などという告知をいまだにしている県警があるのが現状です。
 一般人にとって、振り込め詐欺の対策は、「見破って電話を切る」以外にありません。
 にも関わらず、「騙されたふり作戦にご協力ください」などと告知するのは、被害を拡大させるリスクを高めるだけです。

 今に始まった事ではないのですが、役所をはじめとする公共機関の「振り込め詐欺対策告知」は、被害を一件でも防ぐ、という観点に立っていないのでは、と思わざるを得ません。
 むしろ、「自分は騙されない」と思い込みながら騙される人を作り出しているのでは、と思っています。
 同時に、それが、あれだけ税金を使って広報しているにも関わらず、振り込め詐欺の被害が後を絶たない原因なのでは、とも思っています。

2017年09月15日 23:59