2017年08月15日

いくさ始まる柳条湖

 日本史の授業と言うと、「事件が起きた年を語呂合わせで覚える」を経験した人は多々いると思います。
 「794ウグイス平安京」とか「1192作ろう鎌倉幕府」といったたぐいです。
 率直に言って、平安京ができたのが794年だろうと795年だろうと意味があるのかとか、本当にウグイスが鳴いていたのか、などと中学生当時の自分は思っていました。
 ところが、高校三年の時に受けた日本史の授業で教えられた語呂合わせには、強く感心させられました。
 それは、「いくさ(193)はじ(1)まる柳条湖」および「いくさ(193)な(7)がびく盧溝橋」というものです。

 1931年に柳条湖事件が起きて満州事変が始まり、1937年の盧溝橋事件で日中戦争が始まりました。
 当初は短期間で中国を征服できると思って始めたものの、だんだんと泥沼化していったわけです。
 それがやがて1941年の真珠湾攻撃となり、各地で敗北を繰り返し、徴兵した多くの臣民(当時)が戦死・餓死しました。
 そして、本土空襲・沖縄地上戦などによる一般市民の虐殺を経て、1945年8月14日にポツダム宣言を受諾し、翌15日の降伏を告げるラジオ放送につながったわけです。

 その「始まり」が1931年の満州事変にあった事、そして日中戦争へと拡大していった事を、非常に分かりやすく学べる「語呂あわせ」でした。
 そして、最後の授業でその先生は、戦争で現地女性に性暴行を働いた日本兵が被害者と並んで撮った「記念写真」を掲示しました。
 その授業も非常に心に残っています。
 早いもので、あれから30年経ちましたが、ここまで鮮明に覚えているわけです。本当にいい先生に巡り会えたものだと、いまでも感謝しています。

2017年08月15日 16:48