2017年02月10日

フェイクな放送局による「フェイクニュース特集」

 NHKのサイトに、“フェイクニュース” 真実がゆがむ社会という記事が掲載されていました。
 アメリカのトランプ大統領誕生の要因の一つに、ネット上にトランプ氏を利する「嘘ニュース」が多数流れた事を意識した記事と思われます。
 NHKアメリカ総局の記者が、南部のフロリダ・東部のニュージャージー・西部のカリフォルニアと、まさしく全米を一周して、取材をしています。
 その大取材の結果書かれた記事を見たときは、心底呆れました。

 まず、フロリダに飛んだ記者が取材するのは、「偽ニュースサイトの運営者」と自称する男です。もちろん、本当に運営者であるかの裏付けは取れていません。
 しかも、その偽ニュースサイトは、先述したように、トランプ氏当選を目的とし、事実と異なる事を、あたかも事実であるかのように流している悪質なものです。
 ところが、「運営者」は、友人を対象とした誰でも嘘だとわかるジョークサイトだ、などと言い、記者もそれをそのまま記事にしています。
 本当のジョークサイトだったら、虚構新聞のように、様々なところで、嘘だとわかる仕掛けを置いています。このサイトのように、多くの人が信じるような事にはなりません。

 続いて、ニュージャージーに飛んだ記者は、一日中フェイスブックを見て、自分の都合のいい情報を拡散する人を「取材」します。その人の中毒ぶりはかなりのもので、取材中もスマホでFBを見るほどです。
 そして、この人は、自分の好む情報しか見ない、などと「解説」します。
 そんな事、FBでは当然のことです。たとえば自分は、大学時代に所属した将棋研究会の仲間たちと「友達」になっています。その結果、FBにはちょくちょく将棋関係の情報が流れます。
 一方で、囲碁やポーカーの情報は流れてきません。FBの仕様からすれば当然の事です。
 こんな簡単な事を「取材」するためにフロリダからニュージャージーまで飛んだわけです。
 ついでに言うと、どうやってこの「フェイスブックに依存する人」を探し出したのかも謎なところです。

 そこから北米大陸を横断してカルフォルニアに到着した記者は、学者に取材します。しかし、長距離を移動して取材したにも関わらず、斬新な情報や学説を引き出したわけではありません。
 教授の言っている事は「自分の都合のいい事ばかり信じず、情報を多角的に見るべき」という感じのメディア・リテラシーの基本でしかありませんでした。
 NHKのアメリカ総局が莫大な出張費を費やし、長時間の移動までして取材した割には内容がお粗末すぎます。
 このような三人なら、東京23区内をちょっと探せば、簡単に出てくるでしょう。

 最初は呆れましたが、そのうち、もしかして、この記事自体が「フェイク」なのではなかろうか、と思いました。
 そう考えれば、すべてが合点がいきます。
 特に今の会長になってからのNHKは、ニュースの作り方などもかなり「フェイク」になっています。国会の様子など、実際に中継で見たものと全く異なる印象をもたせるような「編集」が行われていたりします。
 フェイクな放送局が、アメリカの「フェイクブーム」をネタに、フェイクな記事を公式サイトの載せているわけです。
 ちょっとクラクラしてきましたが、それだけ、国内外問わず、マスコミ・ネットに様々な「フェイク」が氾濫している、という事なのでしょう。

 なお余談ですが、自分は「論理的整合性があるかを考える」「自分にとって都合のいい情報でも、出所がはっきりしなければ信用しない」「珍しい画像を見たら、公式を検索して、それが本物かを確認する」などの指針をもちいて、「フェイク対策」を行なっています。

2017年02月10日 23:38