2017年02月20日

1+1=2ではない?

 NHKのサイトを見たら、今なぜ上昇?エンゲル係数というのがありました。
 昨年のエンゲル係数が30年ぶりの高い水準になった、というデータを提示し、その原因を「分析」しています。

 自分がエンゲル係数という言葉を初めて見たのは、中学時代の公民の教科書でした。
 家計の消費のうち食費に占める割合の事で、これが高ければ生活が苦しい、と書いてありました。
 他の出費は頑張ればかなり削れます。しかし、食費は削りすぎると餓死するので、そうそうは削れません。したがって、消費のうちに食費の割合が高ければ高いほど生活が苦しいのは当然の事です。
 これが公民の教科書の一番最初に書かれていました。算数で言えば、「1+1=2」に値する「基本」なわけです。
 ところが、NHKは、そのような「公民の基本」は一応原因として挙げつつ、「惣菜購入が増えた」だの「他の趣味を削って、外食を楽しむ人が増えた」だのといった「珍説」を挙げ、「原因は一概に言えない」という結論に持ち込もうとしていました。
 惣菜のパック売りなど、何十年前から存在します。また、「他の趣味を削って外食」も意味不明です。生活に余裕があるならば、他の趣味も外食も同様に楽しめばいいだけの話です。
 要は、一部の富裕層を除いた、普通に暮らす人にとって現在が深刻な不況である、という事が中学の教科書レベルで明確に数値化されているのに、それをNHKは知られたくないわけです。
 そのため、算数で言えば「1+1=2の可能性もあるが、答えが3の可能性や4の可能性もある」などという水準の珍説を流したわけです。
 アメリカなどで「嘘ニュース」が話題になっていますが、日本では受信料で運営されている公共放送が、義務教育以下レベルの「嘘ニュース」を流した、という事に心底驚きました。

2017年02月20日 23:42