2017年01月22日

ITの経験豊富?

 元ライブドア経営者で、その後証券取引法で有罪となり実刑判決を受けた人が、どこかの自治体の顧問だかアドバイザーだかになった、というニュースを見ました。
 なんでも、そのITに関する知識や経験を期待してとのことです。
 ちなみに、一年ほど前、Jリーグも同じ理由でこの人をアドバイザーに招いています。
 しかし、その人が経営者として飛ぶ鳥を落とす勢いだったのは、別に画期的なIT関連のサービスや商品を開発したからではありません。
 金融や証券で色々やって、巨万の富を得ただけです。もちろん、結果的にその少なからぬ部分は違法行為によるものだったわけですが…。
 実際、当時のライブドアが提供しているサービスは、ヤフーなどの先行大手が提供しているサービスの焼き直しみたいなものばかりでした。
 また、あるとき、当時自分が勤めていた職場の機関誌にこの人が登場して「対談」を行い、職場に対する「IT活用の提言」を行った事がありました。しかしながら、その「提言」の中身は、とっくの昔に実現されていたものでした。
 実際、Jリーグのアドバイザーになって一年経ちましたが、IT関係でJリーグのサービスが向上した、などという話は何一つ聞いたことがありません。
 ネットで検索しても、出てくるのは、アドバイザーになった時の大言壮語だけです。
 この事を考えると、未だに世の中に少なくない「偉い人」は、「IT関連企業の株で巨額の富を築いた」事と、「IT関連で質の高いサービスを提供した」事の違いがわからないのでは、と思えてきてしまいます。
 インターネットが普及して20年以上経つのに、なぜこのような認識が堂々とまかり通るのか、不思議でなりません。

2017年01月22日 23:40