2016年12月21日

獅子の谷落とし

 日本に古くからある言い伝えに「獅子の谷落とし」があります。
 ライオンがガケの上から子どもを突き落とし、這い上がってきたら再度落とす、の繰り返しで成長させる、というものです。
 わかりやすい構図なので、漫画やアニメなどでもよく使われています。
 しかし、そのような事例は聞いた事がありません。ほとんどのライオンは草原など平坦は場所に住んでいるのだから当然と言えるでしょう。
 それを考えると、この逸話は、昔の誰かが頭のなかで作り上げた話である事は明白です。
 また、この「谷落とし」が効率的な育成方法なのでしょうか。いくら優秀な素質の持ち主でも、幼い時にこのような事をされたら、死んだり、一生残るような障害をおってしまう可能性が高いわけです。
 そのようなリスクが高い「育成法」など、間違っているのは明白です。
 おそらくは、封建時代に児童虐待を繰り返していた親が、それを咎められた際に、このような根も葉もない話を捏ち上げたのでしょう。
 そして、児童虐待をする連中にとっては、最適の口実となり、言い伝えられて現在に至っているのではないでしょうか。
 実際、現在もこの「獅子の谷落とし」に親が倣った結果、幼い命が理不尽にも奪われているわけです。
 このようなDV者のための作り話を言い伝えたり作品にするのはやめてほしいものだと思っています。

2016年12月21日 17:00