2016年10月20日

国交省の「斬新な」荷物運搬法

 トラック運転手の人員が不足しているそうです。
 特に深刻らしいヤマト運輸は、トラックに人員募集広告を貼り付けて走らせています。
 それを見るたびに、「そりゃあんな低賃金で過酷労働させられれば、辞める人が激増するのもしかたないよな」と納得(?)しています。
 その人手不足に対し、国交省が斬新な解決法を発表していました。
 それは、大型トラックの荷台つないで長ーく 運転手不足解消へというものでした。

 つまり、道路法を改正して、一台のトラックの長さの規制を伸ばし、荷台を二つ繋げて走らせる、というものです。
 見たときは、心底呆れました。
 我が地元の幕張本郷には、「連節バス」が走っています。しかしながら、走ることができ区間は限定されており、それ以外の場所を走ることはできません。
 当然の話で、あんな長い車両が所かまわず走りまくったら、周囲の運転手はそれだけ神経をつかう事になります。
 ちなみに、連接バスが走ることができる場所は、全て十分な車線が保持されています。
 もし、所構わずそんなトラックが走るようになったら、周囲の運転手は大変です。当然、事故のリスクも増えます。
 そんな事も考えずに、この「斬新的な解決法」を思いついたのだろうな、と呆れました。

 ついでに言うと、この国交省の人が「発見」した方法は、実は百年以上前から日本でも他国でも使われていました。それは、「貨物列車」というものです。
 鉄道でしたら、二両どころか、十両以上の「荷台」を繋げても、安全に運送することができます。
 しかし、1980年代の日本は、「もはやトラックの時代だ」という感じで、この貨物列車を激減させました。そして、広大な貨物ターミナルは売却されてマンションだの商業用地だのになりました。
 そして現在、トラックによる運送に無理が生じ、国交省がこのような「斬新な計画」を発表しているわけです。
 長期的な視点で評すると、コントでもやっているようにしか見えないでしょう。
 改めて、30数年前に行われた鉄道に関する「改革」の間違いっぷりがよくわかりました。

2016年10月20日 23:50