2016年09月30日

桁違いの実力

 プロ野球パ・リーグは北海道が優勝しました。
 今日がその北海道の最終戦だったのですが、一つ、興味深い事がありました。
 北海道の大谷投手は、ここまで規定投球回数に3イニング足りていません。もし、最終戦で3イニングを投げて到達すれば、現在1位の投手を大きく上回って「最優秀防御率」を獲得します。
 どのくらい差があるかというと、この3イニングで自責点が5でもタイトルが獲得できる、というほどでした。
 大谷投手は一昨日に1安打完封で胴上げ投手になっています。とはいえ、これまでの風習ならば、6回あたりから大谷投手を登板させ、最優秀防御率を獲得させていたでしょう。
 しかしながら、そのような事はなく、昨年「投手三冠」を達成した大谷投手は、10勝(リーグ7位)、174奪三振(リーグ3位)の数字を挙げながら、前年から一転して「無冠」に終わりました。

 しかしながら、それをもって、「大谷投手が昨年より成績を落とした」と考えた人は誰一人存在しません。
 何故ならば、打者としてリーグ8位の22本塁打、13位の67打点をあげています。また、規定打席に達していませんが打率はリーグ2位相当の3割2分1厘でした。仮に、規定打席数に達するまでの打席を全部凡退しても、リーグ12位相当の打率になります。
 これだけ次元の違う活躍をしているだけに、何も最優秀防御率を無理して獲得する必要などないと、本人もチームも思ったわけです。
 これまで、リーグ最終戦において、個人記録の獲得・阻止を目的とした、不自然な選手起用や「敬遠合戦」などがありました。
 いずれも、個人タイトル獲得を至高の存在と認識し、そのためには、本来と異なる野球をやってもかまわない、という認識によるものだったわけです。
 そのような醜態を多々見ていただけに、この、ちょっと無理すれば確実に獲得できるタイトルに何ら未練を持たなかった大谷投手の桁違いの凄さに、改めて感心させられました。

2016年09月30日 23:57