2016年09月27日

住居表示制度

 10代の頃、東京を中心に、昔と現在の対比写真を得意とする作家さんが好きでした。
 その作家さんは、住居表示制度により、昔からの伝統ある地名が、システム化された住居表示になる事に、たびあるごとに反対を表明していました。
 その影響もあり、自分も住居表示制度に対し、否定的な思いを持っていました。
 しかし、数ヶ月前から、特定の住所に物を配達する手配が仕事の一つになりました。
 そのため、住宅地図で登録されている住所を実際の場所に紐付ける業務が増えました。
 すると、住居表示制度を導入していない町の地番の割り振りが、極めて不規則である事を知りました。
 例えば、同じ「◯◯町××番地」が、1キロにわたり続く、などという現象がある事もありました。
 これだと、実際の場所を判定するのが極めて大変になります。また、地番が並んでいる別の場所が遠くはなれている、などという事もありました。
 それを機に、住居表示制度が、いかに物を配る人にとって有益であり、必要性があるという事に気づきました。
 物事の良し悪しを判断するには、多角的な視点が必要である事を、改めて痛感させられた一件でした。

2016年09月27日 23:56