2016年08月28日

気づいたらいなかった隣人

 隣の部屋に、ギター演奏が好きな人が住んでいました。
 興が乗ると夜でもかまわずギターを弾き始めます。別に大音量というわけではないのですが、率直に言って迷惑でした。
 一方、隣なのに、顔を見る機会はありませんでした。また、表札も出していないので、名前も分かりませんでした。
 そういう感じで、10年以上、「顔も見なければ会話もない、たまにギターに迷惑する」という「お隣づきあい」を続けていました。
 ところが数ヶ月前、朝にゴミ出しに行ったとき、部屋に戻ろうとするお隣さんとすれ違いました。「ミュージシャン」という雰囲気はまったくない、普通の初老の男性でした。
 そして、先日、なんとなくお隣の玄関が目に入りました。すると、郵便受けの所に「転居しましたので投函しないでください」という張り紙がありました。それで初めて、転居した事を知りました。
 長年、「お隣」だったのだから、我が家に挨拶くらい来れば、とも思いました。まあ、そんな気遣いができるなら、夜にギターなんか弾かないでしょうが…。
 とりあえず、「これで、夜に変な音を聞かされる事はなくなったんだな」と安堵しました。

2016年08月28日 22:50