2016年08月25日

正しい日本語?

 よく、テレビやお役所発表で「正しい日本語はこうだ」と流される事があります。最近では、「目上の人に『お疲れ様です』を使うのはおかしい」というのが話題になりました。
 これらの発表を見るたびに疑問があるのですが、「正しい日本語」を決める権限はどこの誰が持っているのか、という事です。
 よくあるお役所発表を見れば文部科学省という事になるようですが、主権者たる日本国民として言わせてもらえば、そのような権限を文部科学省に与えたおぼえはありません。
 そう考えると、どこにも、発表されたものが「正しい日本語」である保証はないのでは、と思っています。
 ちなみに、先述の「目上に『お疲れ様です』は非礼」ですが、四半世紀ほど社会人をやり、幾つかの団体・企業などで働きましたが、そのような指摘を受けた事は一度もありません。

 他にも、「キンキンに冷えたビール」はおかしい、などというのもありましたが、日本語を母語にし、かつビールを飲む人なら、その言葉の意味はすぐに伝わるでしょう。
 それが「正しくない日本語」というのもおかしい話です。

 たとえば、「私は鳥が流暢だ」という言葉があれば、これは明らかに「正しくない日本語」です。何を言いたいか分かりません。
 また、「奈良の観光地の人混みではしかに注意する必要がある」もあまりいい日本語ではありません。なぜならば、これは「人混みでは鹿に注意するがある」のか「人混みで麻疹に注意するがある」のかわからないからです。
 逆に言えば、そのような意味不明だったり意味が判別できないような言葉でなければ、「正しい日本語」なのではないでしょうか。
 にも関わらず、どこかの役所や研究者(?)が、多くの人が普通に使っており、かつ問題なく意味が通じる言葉をあげつらって、「これは正しい日本語でない」というのは、いかがなものなのか、と思っています。

2016年08月25日 22:36