2016年05月09日

「貧困」を商材にする新聞社

 朝日新聞は定期的に「貧困家庭」を題材とした続き物記事を書きます。
 貧困家庭の悲惨な実態を赤裸々に書くため、記事が発表されると、ネットでもかなり話題になります。
 しかしながら、この記事によって、貧困問題に解決の糸口が見える、などという事はありません。
 被害者のうち何人かは、ヤミ金などの違法企業によって貧しくなっているのですが、その社名を明かすような事は一切しません。

 一応、記事の最後に、「貧困に苦しむ人の相談先」として電話番号がいくつか書かれています。
 しかしながら、ネットに無料公開されている記事にはその番号は表示されません。新聞を買うか、登録会員にならなければ、閲覧できないのです。
 貧困家庭に朝日新聞を取る余裕はなさそうです。ネットの登録会員は一応無料でもなれますが、ある程度の知識がないとそれは分からないでしょう。
 つまり、貧困家庭がその「相談先電話番号」を知るのはかなり難易度が高いのです。

 それを見ると、この記事の目的が、「貧困問題を解決する」ではないと思わざるを得ません。
 単に、貧困に苦しむ人を「見世物」にしているだけにしか見えないのです。
 もし、貧困問題が解決され、朝日の記事に出るような悲惨な人がいなくなったら、この類の記事を書いている記者はさぞかし残念がるのだろうな、と思いました。

2016年05月09日 21:02