2016年03月25日

8時ちょうどの「あずさ2号」

 40年近く前に「あずさ2号」という曲が流行しました。
 サビの部分は「8時ちょうどの、あずさ2号で、私は私は貴方から旅経ちます」というものです。
 今では、首都圏から地方に行く「下り」の特急には1号とか13号のような奇数番号が、逆に、首都圏に向かう「上り」の特急には2号とか18号のような偶数番号がつけられます。
 しかしながら、この歌が出た頃は、「下りの1号、2号…」「上りの1号、2号…」となっており、「あずさ2号」は新宿を8時ちょうどに出て、山梨県・長野県に向かっていました。

 それが、30数年前のルール変更で、今の「下りは奇数、上りは偶数」となりました。
 その結果、かつて「東京にいた私」が「あなた」から旅だった「あずさ2号」は、現在ではスーパーあずさ5号になり、「あずさ2号」は、朝6時過ぎに松本を出て、東京へ向かう特急に変わりました。
 ちなみに、7時59分に大月駅を出るので、8時ちょうどには、東京へ向かって加速中となっています。
 その「あずさ2号」が、今度のダイヤ改正で、1分ほどずれ、大月駅を「8時ちょうど」に発車する事になったとのことです。要は、「8時ちょうどのあずさ2号」が復活したわけです。
 もっとも、大月を8時ちょうどに出たあずさ2号は、かつてとは逆に、新宿を経て東京へ向かいます。要は、ちょっと遅目に仕事が始まる会社への「通勤特急」となっているわけです。
 そのダイヤを見た時は、今「あずさ2号」を作ったら、「苦労してマイホームを買ったものの、賃下げ時代ゆえに大月に住むことになり、『8時ちょうどのあずさ2号』で出勤するサラリーマン哀歌」になるだろうな、などと思いました。

2016年03月25日 23:47