2016年02月21日

最後に来た日

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 弟の墓参りに行きました。
 家族とともに、墓前に手を合わせながら、昨年の2月21日の事を思い出しました。
 その日は、弟を家に呼んで、録画した番組を見ながら飲み会をしていました。
 これは、弟が近所に越してから5年間、毎年この時期に行う恒例行事でした。
 一緒に観た番組は、以前に弟が我が家に来た時に、これまでの放映を収録したDVDを持参するほど強く推されていたものでした。そのため、それを自分が録画しはじめた事を、弟はとても喜んでいました。
 その時も、色々と楽しい話で盛り上がり、遅い時間になって、弟は帰宅しました。
 飲み会を片付けてからネットを見たら、その日の話題をより楽しめる情報を見つけました。
 それを弟にメールをし、そのやりとりでまた盛り上がったりしたものでした。
 あの時は、また、次の年もこのような、楽しい飲み会ができると、当然の事のように思っていたのですが…。
 そんな事を思いつつ、一年前、弟が持ってきたDVDと、そこに弟の手で書かれた説明の付箋を見ました。
 そこに書かれている弟の字を見ながら、その時は、「毎年の恒例行事」と思っていた事が、実は「この世で最後の事」だった、という事を再認識し、寂しく思いました。

2016年02月21日 23:42