2016年04月21日

数字以上に下がった「報道の自由度」

 毎年恒例の「国境なき記者団」による「報道の自由度ランキング」が発表されました。
 ここ数年、驚異的な勢いで順位を落とし続けている日本は、昨年の61から11ランク落として72位になりました。
 2011年の時点では21位でしたが、安倍内閣になってから53位に急落し、その後、59位・61位・72位と着実に下落しています。
 このような深刻な自体に対し、肝心の日本の報道機関は他人事みたいに「報道」していました。少なからぬ所は菅官房長官の「反論」を一切の批判・言及無しでそのまま載せていました。
 それらの記事を読んだ時は、「こりゃ72位にまで落ちるのも当然だ」と思いました。
 その中で、特に呆れたのはNHKの報道の自由度 日本をはじめ世界で「大きく後退」でした。

 国境なき記者団が世界全体で「報道の自由」が後退している、と述べたことを上手に(?)織り込んだ見出しを作り、一見、「世界全体で落ちているのだから、日本の順位が落ちるのも仕方ない」と視聴者が感じてしまいそうなニュースにしています。
 しかし、ちょっと考えると、「世界全体で後退しているなか、日本の順位が下がっている」というのはより一層深刻だという事が分かります。
 仮に世界中が時速40kmで後退しているとしたら、日本は時速60kmで後退しているわけです。そうでないと、順位が下がった事を説明できません。
 このNHKのニュースの内容、並びに、このような視聴者を騙すようなニュースを流すこと自体、日本の報道自由度の下がり具合が、見た目の数字以上に深刻であることがよくわかりました。

2016年04月21日 23:00