2015年12月19日

「当初見込み」の無責任さ

 2020年に開催される予定の東京五輪が、当初見込みの3013億円から約6倍の1兆8千億円に増大するというニュースを見ました。
 この五輪計画、当初はさんざんコンパクトで低価格という宣伝がされていました。しかしながら、この現状を見る限り、当初の「見積金額」の算定が滅茶苦茶だったと言わざるをえないでしょう。

 しかしながら、この「当初の発表より約1兆5千億円増えた」というとんでもない不祥事に対し、誰一人責任を取ることはないでしょう。
 なにしろ、これまで、同じように「現実と大幅に乖離した見込み数字」を元に、地方空港だの新幹線だのが造られました。ついでに言えば、これから建設するとなっているリニア新幹線も、かなり非現実的な需要予測がなされています。
 もちろん、その「現実離れをした見込み数字」を出した人が責任を取った、などという話も聞いたことはありません。それを考えれば、この五輪についても同様の結果になると考えるのが自然でしょう。
 この無責任な仕組みにより、ごく一部の人が大儲けするわけです。一方で、「財源不足による社会保障費削減」などと口実で、生活がより一層苦しくなる人が大量に増えるわけです。
 このような異常な事態がまかり通る世界で我々は生活しているわけです。そして、それが黙認されてしまったため、異常事態が拡大していっています。
 そろそろ何とかしないと、より異常な事がまかり通る時代になってしまうのでは、と強く思いました。

2015年12月19日 22:51