2009年10月30日

過去の対する複雑な心境

 仕事関係である人の話を聞く機会がありました。その人の前職は金融関係と自己紹介し、当時の話を何度かしていました。
 その人によると、滞納している人の家に督促をFAXするのは、家族に見られるとまずいからNGでそうです。そして、家に電話する時についても、「○○銀行の××と名乗ると、家族にバレるから、単に××と名乗ります。そして督促に応じないと、最後は『訪問』になります」と言っていました。
 私も過去に仕事で何度も銀行から電話を受けた事はありますが、会社名を名乗らなかった事などありません。とはいえ、この人の話した「どう見ても業務の電話なのに個人名を名乗ってくる電話」を取り次いだ事もありました。そして、そこで取り次いだ人は、いずれも消費者金融との「取引」がある人でした。ついでに言うと、よほどの異常事態が発生しない限り、銀行は家まで「取り立て」には行かないでしょう。

 というわけで、その人の「前職」がどんな金融だったかがよく分かりました。にも関わらず、昔話で「銀行」と詐称したのは、やはり名乗りづらい業種だと認識していたからなのでしょう。
 無事に辞めてちゃんと転職したのだから、もう無関係なはずですが、やはり、その頃の業界を率直に語れないのでしょうか。その一方で、ちょっと知っている人なら分かるような「たとえ話」をするわけです。それを考えると、遠回しに自分が、消費者金融をやっていた事を伝えたいという意思もあるようです。
 前職に対して、かなり複雑な心境を持っている事はよく分かりました。ただ、やはり正直に語れないのなら、そのような「昔話」はしないほうがいいのでは、とも思いました。

2009年10月30日 23:04