2009年11月01日

日本シリーズ第2戦、ダルビッシュ投手の技巧派投球で北海道が勝つ

 札幌ドームで行なわれた、北海道-読売はダルビッシュ投手と内海投手が先発。日本シリーズ絶望とも報じられたダルビッシュ投手ですが、第2戦目での当番に。アナウンスされた時、札幌ドームは大いに沸きました。
 注目の立ち上がりですが、初回は三人で抑えます。一方、北海道打線はその裏、2死からの連打で好機を作りますが、微妙な空振り判定などもあり、先制できません。

 ダルビッシュ投手は続く2回に先頭打者に二塁打されますが、そこから三人を抑えます。今日のダルビッシュ投手は、まだ体調が万全でなく、普段のような速球や鋭いスライダーなどはほとんど見せません。代わりに、スローカーブを多用するのですが、これがまた絶妙な所に決まります。
 そして、直球はさほど球速が出さないのですが、カーブとの対比で早く見せるという、渡辺俊介投手みたいな投球術を見せていました。そして、要所に限り、150キロ近い速球を投げていました。
 そして3回も先頭の李選手に安打されますが、謎の盗塁失敗もあってここも0点に抑えます。
 2回も得点圏に走者を出しながら0点に終わった北海道打線は、続く3回も1番からの攻撃ながら簡単に2死を奪われます。しかし、ここで稲葉選手が右翼席に本塁打し、先制に成功します。
 この稲葉選手の打席で、初の解説となる新庄氏が、「稲葉選手と5・6番を組んでいた頃はさほど勝負強くなく、好機で稲葉選手に打席が回ると、『代わりに打たせてくれ』と言っていた。それが今では勝負強くなった」と言っていました。
 他にも新庄氏は、各選手のさまざまな逸話を明かしており、解説と言うよりは、北海道の一員といった感じでした。途中、一瞬だけ「自分は読売のファンですよ。子供の頃福岡では読売戦しか見れませんでした」みたいな事を唐突に言っていましたが、その後はまた戻っていました。あの「ファン宣言」は、「中立」を演出するものだったのだろうか、と思いました。
 一方、読売のOBでもある清原氏も解説でしたが、こちらは別に読売の一員みたいな言動はありませんでした。
 さて、試合のほうですが、稲葉選手の本塁打に続き、高橋選手がフェンス直撃の二塁打を放ちます。そして続くスレッジ選手が適時打を放ち、もう1点を追加します。さらに続く小谷野選手は遊ゴロを打ちますが、遊撃の坂本選手が二塁へ悪送球し、記録は安打で好機が続きます。そして、糸井選手が左翼線を破る2点二塁打を放ち、2死無走者からの5連打で北海道が4点を奪います。ここで内海投手は降板となりました。
 援護を貰ったダルビッシュ投手ですが、続く4回表、こちらも簡単に二死をとりますが、そこから安打をされると、続く亀井選手が左翼席に2ランを放ち、即座に2点差に詰め寄られます。
 さらに5回表、ここも簡単に2死を取りますが、そこから三連打されて満塁となります。なお、2死1・2塁から中前打があったのですが、糸井選手の強肩を意識して、二塁走者は三塁に止まりました。この時、解説の新庄氏は、「自分ならここはワンテンポ遅れて捕球し、二塁走者をわざと突入させて本塁で刺していた」と言っていました。実際にそのようは捕殺場面をよく見たものですが、そのような「小技」があるとは思いませんでした。
 そして2死満塁で小笠原選手、という危機を迎えます。しかしここでダルビッシュ投手は三振に打ち取り、マウンド上でかなり気合いの入った仕草を見せていました。
 そして6回も振り逃げで走者を出しますが、ここも相手の走塁ミスもあって0点に抑え、ここで降板しました。6回87球2失点で降板というのは、普段のダルビッシュ投手では考えられない事です。しかし、体調を考えると、まさしく渾身の投球だったと思いました。
 読売の継投陣が好投し、北海道打線は追加点を奪えません。しかし、北海道投手陣も7回を宮西投手が、8回は金森投手がともに三人で抑えます。
 そして9回は武田久投手が登板。1死から安打されますが後続を抑え、4対2で北海道が勝ちました。観客数は4万7百人ほどでした。
 これで対戦成績は1勝1敗に。3年前に北海道が日本一になった時と同じ星並びなだけに、ゲンがいいと言えるかも知れません。
 とにかく、本来の投球ができないながら、技巧派投球で2失点に抑えたダルビッシュ投手に感服した試合でした。こんな「引き出し」も持っていたとは思いませんでした。また、新庄氏独特の解説も楽しめました。またいつか解説してほしいものです。

2009年11月01日 23:36