2015年11月17日

猫だまし

 横綱白鵬関が、立ち会いに猫だましを行い、さらに途中でもう一回猫だましを行って勝利した、というニュースを見ました。
 猫だましというのは、相手の目の前で手を叩いて、反射的に目をつぶらせ、その間に自分の優位を築こうという奇襲戦法です。
 まれにこれを愛用する力士がいたりもしますが、普通は使われません。ましてや、横綱が行うなど前代未聞です。

 これに対し、北の湖理事長やスポーツ新聞は、「横綱らしくない」などと批判しています。
 まあ、毎度の事ですが、どうしてこんな「批判」ができるのか、と驚きます。
 言うまでもなく、白鵬関は「猫だまし」などをしなくても普通は勝ちます。ちなみに、本日対戦した栃煌山関との対戦成績は28勝2敗ですから、勝率にして九割三分三厘です。
 にも関わらず、あえてそのような珍しいことをやった理由を考えるなら、「話題づくり」と考えるのが自然ではないでしょうか。
 実際、自分も、本場所をやっているのだな、と思ったのは、今日の「猫だまし」と数日前に白鵬関が決めた大技「櫓投げ」の報道を見た時くらいでした。
 にも関わらず、この「技」を批判するのはいかがなものか、と思いました。
 もちろん、白鵬関がその気になれば、寄り切りや上手投げといった「横綱らしい技」だけで白星を積み重ねる事も十二分に可能なわけです。
 そこであえて「猫だまし」をやった、という意味をもう少し考えて報道したり、理事長談話を出してほしいものだ、と思いました。

2015年11月17日 21:57