2015年09月04日

当たり前だった風景

 ネットに、都内最後!?スターハウスが募集開始!という記事を見ました。
 かつて公団住宅と呼ばれ、現在は「UR」という名を持つ集合住宅があります。
 その中で、1950年代のみに造られた、特殊なものに「スターハウス」と呼ばれるものがあります。説明は省略しますが、「団地マニア」の間では、希少物件としてよくブログに掲載されています。
 自分は「団地マニア」ではないのですが、このサイトに掲載された「スターハウス」並びに、このサイトに写っていた窓から外に見える風景を見た時は、深い感慨をおぼえました。

 なぜならば、このサイトに表示されている「外の風景」は、物心つく前からずっと見ていたものだったからです。
 この今回募集している「スターハウス」の一室は、自分は生まれてから8年ほど住んでいた部屋でした。
 写真を見た時、これは、401号室から写したのだな、とすぐに分かりました。ちなみに、自分が住んでいたのは一つ下の301号室でした。
 ちなみに、リンク先の4枚めの写真は、生まれてからずっと見続けていた、隣接する製薬会社社長の屋敷でした。

 実は自分は食べ物の好き嫌いがかなりあります。幼いころは特にたくさんありました。その中の一つがグリーンピースがありました。
 それゆえに、「グリーンピースごはん」が食卓に出た時は、親に隠れて、グリーンピースを、この隣の邸宅めがけて投げ捨てたものでした。もちろん、それは幼児の浅知恵で、親には完全にバレていたのですが…。

 この「お隣」の風景を見た時は、そのような事も思い出しました。
 団地にどんな人が応募し、住むのか分かりません。ただ、その中で301号室に住む人は、自分が生まれてからずっと見ていた風景を共有するわけです。
 そういう事もあり、その一生会うはずのない誰かに対し、不思議な共感をおぼえました。

2015年09月04日 23:53