2015年10月04日

ツタヤ図書館

 海老名にできた「ツタヤ図書館」が色々と話題になっています。
 本の分類が滅茶苦茶で、小説の「金閣寺」や「八甲田山」が旅行記の棚に置かれているとか、ツタヤの売れ残りを入れた結果、極めて品のない本まで置かれているとか、呆れるよりない話ばかりです。
 一方、「初代」である武雄市の「ツタヤ図書館」も最近になって、色々と似たような問題点が報じられるようになりました。
 こちらも、海老名に劣るとも勝らないひどさのようです。極めつけは、この図書館を導入した当時の市長が、現在、ツタヤの系列会社の社長に「天下り」した、という事でしょう。
 しかし、このような現状が伝わるようになったのはごく最近の事です。
 確かに、ネットでは武雄の図書館が出来た時から、批判的な声は流れていました。

 とはいえ、マスコミはこの「武雄ツタヤ図書館」を絶賛していました。
 その「賛辞」は、見た目が綺麗だの、コーヒーを飲みながら読書できるだの、リニューアルして喫茶店をくっつけたのだから当然だろう、というようなものばかりでした。
 当然ながら、図書館そのものとしての品質について論じたものはありませんでした。
 問題になっている、「15年前に発行されたパソコン入門書」だの「何百キロも離れた所のローカルグルメ本」など、見もしなかったのでしょう。
そして、もちろん、そのような「提灯記事」を書いた事を反省など一切しません。

 様々な点において、社会の質が劣化しており、しかも商業マスコミはそれをチェックするどころか、迎合している、という事を改めて実感させられた一件でした。

2015年10月04日 20:32