2015年06月16日

カップ焼きそばから憲法まで

 異物混入で販売自粛していたペヤングのカップ焼きそばの販売が再開されました。
 カップ焼きそばの元祖的存在であり、自分も何度も食べたことがあります。
 それだけの人気商品なだけに、販売再開はニュースとなり、大いに話題となりました。
 そして、それを報じた読売新聞の記事が「衝撃的」でそれがまた話題になっています。

 再開されたカップ焼きそばを食べる模様を「取材」しているのですが、その文面は四角い容器に熱湯を注ぐと、店内に食欲をそそるソースのにおいが立ちこめるとなっていたのです。
 言うまでもない事ですが、カップ焼きそばはカップラーメンと違い、お湯を入れて3分経ってから一度湯を捨て、その後にソースなどを入れます。したがって、記事のような現象は発生しえません。
 記者がろくに取材せず、「カップめんの焼きそばなんだから、お湯を入れればソースの香りが立ち込めるだろう」と勝手に思い込んで記事を書いてしまったのでしょう。
 現場に行けなかったとしても、どこかでカップ焼きそばを購入し、3分かけて自分で作ればこんな間違いはするわけがありません。それを惜しんだため、大恥を書いたわけです。
 ちなみに問題となった記事のタイトルは「3分待てない!-不安の声も」でした。結果的に記者の取材状況を如実に表してしまったわけです。かなりの皮肉になってしまった思いました。

 まあ、読売新聞と言えば、自称医者がふれまわった「IPS細胞を使った手術」を裏を取らずに一面トップにした、という「実績」があります。
 さらに先日の社説では、九割以上の憲法学者が違憲だと断じた法案を「そんな事論じるまでもなく合憲だ」という趣旨のことを書いていました。
 憲法からカップ焼きそばまで、ここまで事実と乖離した事を堂々と書けるわけです。そう考えれば、「社としての整合性」だけはとれているよな、と思ってしまいました。

2015年06月16日 10:49