2015年04月16日

物騒な時代ゆえの変化

 先日、「入社式に親がついてくる」という記事の見出しが目に入りました。
 この類の「今の若者は甘やかされている」的な煽りは苦手なので、記事は読みませんでした。
 しかしながら、その見出しについて考えているうちに、ある事に気づきました。
 新卒社会人の年齢は22〜24歳です。その親となれば、自分と同じ世代です。当然ながら、その頃は、入社式に親がついてくることはありませんでした。
 つまり、今の「親世代」は、自分たちがされなかった事を、自分たちの子どもにしているわけです。

 よくよく考えれば、その理由は分かります。
 たとえば、我々が学生の頃は、アルバイトでのトラブルなどありませんでした。
 休みを利用し、気楽に働き、そこそこいい時給を貰ってそれを小遣いにして遊べたわけです。
 そんな感じだったので、バイトで困ることはありませんでした。当然、親にバイトの事で相談することもありませんでした。
 しかし、今では「ブラックバイト」などという言葉が一般化するほど、アルバイトの環境も悪化しています。最低賃金ギリギリの時給なのに、「バイトリーダー」などと責任は社員並みです。
 そして、売上が悪ければ、自腹で商品の買い取りをさせられるわけです。法律的には完全に違法ですが、普通の学生バイトにはわからないでしょう。
 そして、新入社員も、いきなりパワハラに見舞われます。マスコミも、この季節になると「トンデモ新入社員特集」などと称して、新人イジメを奨励するような特集を組むほどです。
 そう考えれば、親が心配するのも当然です。
 つまり、そこまで親が心配しなければならないほど、世の中が世知辛く、かつ物騒になってしまったわけです。
 それを考えれば、おかしくなったのは「親」でなく「社会」なんだよな、と思ったりしました。

2015年04月16日 23:59