2015年04月12日

ハメ技台

 昨日行われた将棋のコンピュータソフトとプロ棋士の対戦で、プロ棋士が、コンピュータのプログラムミスを衝く手を指し、それを見た開発者が、即座に負けを認める、という事が起きました。
 この対戦は、事前に対局するプロ棋士がソフトを借りて研究できます。一方、対局相手に貸し出した後は、ソフトの改良はしてはいけない、という決まりだそうです。
 したがって、期間中にプロがこのようなプログラムミスを発見すれば勝つわけです。

 実際、今回プロ棋士が衝いたプログラムミスは、1ヶ月くらい前にアマチュアの人がそれを衝いて勝利していました。したがって、改良が許されない以上、同じ事をプロがやればコンピュータソフトが負けるのは当然と言えるでしょう。開発者が投了するのも無理はありません。
 結果的に、正面からぶつかりあっての力勝負にはなりませんでした。そのため、それを衝いたプロ、および衝かれたら即座に負けを認めた開発者の双方にも批判的な意見があるようです。
 しかしながら、今回のルール設定でやれば、プログラムミスを発見したプロがそれを衝くのは当然の事です。逆に言えば、それによる勝利を認めていたからこそ「ミスが発見されても改良は認めない」というルールにしていたわけです。

 この話を見て思ったのは、20代のころ、自分がハマっていた、対戦格闘ゲームでした。
 これにも、プログラムミスを衝いた「ハメ技」というのが存在し、それを使えば最後、勝敗が決まってしまう、という現象が生じました。
 そのため、当時の大型ゲームセンターには「ハメ禁止台」と「なんでもあり台」が存在しました。そのような「ハメ技」が嫌な人は、「禁止台」で対戦格闘を楽しんだわけです。
 そんな事を思い出しながら、今回の対戦は「なんでもあり台」で行われていた格ゲーに似ているな、と思いました。
 そういう事もあり、「ハメ禁止ルール」でやっていたら、どのような結果になっていたのだろうか、とも思いました。

2015年04月12日 21:48