2015年03月09日

歪んだ「正義」の心を利用したスパム

 ツイッターでよく、自分が意図しないのに、下品な画像をリツイートしてしまう、という現象が発生します。
 手順としては、「興味を引きそうな情報に『詳しくはこちら』というリンク先をつけて流す」⇨「リンク先をクリックすると『連携アプリを承認』というボタンが表示される」⇨「そのボタンを押すとアカウントを見知らぬ人が自在に操れるようになり、下品な画像をリツイートするようになる」となります。
 本日、この現象をまた確認しました。そこで、「餌」である、「興味を引きそうな情報」は何だったのだろうか、と調べてみました。
 すると、それは、「先日発生した殺人事件における容疑者の両親・兄弟の顔写真を見たい人はこちらをクリック」というものでした。
 この事件は、手口がちょっと猟奇的で、容疑者が未成年だった、という事で、マスコミが大げさに報道しています。少年法の改悪を目論んでいるのか、容疑者への憎悪をたきつけている報道も目立っています。それに煽られる人が多いと思ってこのような罠を作ったのでしょう。
 言うまでもなく、いくら殺人事件の容疑者とはいえ、その家族の顔をネットに流すのは重大な人権侵害です。そんな事、ちょっと常識があれば分かることです。
 にも関わらず、その顔を見ようとしたわけです。本人の表層意識としては、「加害者という『悪』に対する正義の怒り」なのでしょう。しかしながら、実態は、単なる覗き見趣味でしかありません。
 その「正義の怒り」でリンクをクリックした結果、ツイッターのアカウントが「下品画像リツイートロボット」になってしまったわけです。
 もちろん、一番悪いのは、そのような罠を作った人です。とはいえ、これに関しては、罠にハマった人についても、歪んだ「正義」の心を利用された自業自得、と思わざるを得ませんでした。

2015年03月09日 22:15