2015年01月28日

白鵬関の発言問題

 初場所で、白鵬関が大相撲史上最多記録の33回目の優勝を達成しました。
 その翌日の記者会見で、13日めの相撲が同体取り直しになったという審判裁定について、「子供が見てもわかる誤審だ」と痛烈に批判しました。
 さらに、「肌の色は関係ないんだよね」と、相撲界での人種差別に言及した発言も見せました。
 これに対し、相撲協会もマスコミも、白鵬関が一方的に悪いというような対応をしています。
 率直に言って、この反応には呆れました。

 別に、この一番に負けていても、結果的に白鵬関は優勝していたでしょう。
 何しろ、15戦全勝で優勝した白鵬関に続く「準優勝力士」は11勝4敗というほど、差が開いていたのです。
 そんな余裕で優勝した場所です。別に黙っていても何ら損することはありません。
 にも関わらず、そこまで言ったという事は、よほど今回の判定がおかしく、かつこれが最初ではない、という事なのでしょう。
 実際、半年前には、行事も審判も気付かなかった反則を、控え力士だった白鵬関がものいいを付けて、反則勝ちが成立した、という事がありました。
 ちなみに、この結果、反則されたのに負けにされそうだったのは、モンゴル出身の力士です。
 さらに言えば、ある場所で、稀勢の里関が2横綱を倒したとはいえ、11勝しかできなかった場所後、横綱審議委員長は全勝優勝したなら内容次第では。日本国民の願いじゃないかというのもありますしと全勝優勝すれば横綱推薦がある事を示唆する発言していました。
 要は、稀勢の里関は日本人だから、昇進の内規に達しない成績を挙げられなくても横綱にしたい、と言っているわけです。
 こんな発言を堂々とし、何らお咎めがないわけです。外国人の力士が「肌の色に関係がある」と思うのも当然でしょう。

 相撲界はずっと、「伝統」の名のもとに、今回の白鵬関のような批判を許してきませんでした。
 その「伝統」を守り続けた結果、相撲部屋でリンチ殺人が発生し、大規模な八百長が発覚し、さらにその際に、八百長に関与していない外国人力士が不当解雇される、という異常事態が次々と発生しました。
 その相撲界の危機を救ったのが、白鵬関の活躍だったわけです。
 にも関わらず、その歪んだ「伝統」にしがみついて、角界最高の功労者である白鵬関を一方的に悪者扱いしているわけです。
 その尻馬に乗って白鵬関を叩くマスコミともども、本当に救いようのない集団だと思いました。

  2015年01月28日 23:22