2014年10月31日

幸せを呼ぶ赤い西武電車?

 半年ほど前に紹介した、幸せを呼ぶと銘打った黄色い京急電車ですが、見た人から「西武の電車に似ている」という感想があったそうです。
 すると、それに西武がコラボし、幸運の赤い電車と言って、京急のコーポレートカラーである赤く塗った電車を走らせる事になりました。
 このニュースを見た時はちょっと驚きました。自分は、西武新宿線沿線の野方という町で生まれ、8歳の頃まで住んでいました。
 当時、西武新宿線の車両は、赤とクリームをベースにした塗色でした(参考資料)。

 その赤い電車は非冷房でしたが、新車として、黄色い冷房車が投入されました。
 ある年の夏休みに、近所の人たちと秩父のほうに団体で行きました。その時、野方駅に入って来たのがその黄色い冷房車で、周りの皆が大喜びしていたのは、今でも覚えています。
 そして、段々と黄色い電車に入れ替わり、赤い電車はローカル線でしか見られなくなりました。さらに、ローカル線でも世代交代が進み、ついに「赤い西武電車」は消滅しました。
 その後、黄色は残りつつも、白や青などの新車が投入され、現在に至っています。
 それだけに、西武が「出会えたお客様に幸運が届けられれば」などと言って、「赤い西武電車」を走らせた事には、かなりの違和感がありました。

 もっとも、西武に赤い電車が普通に走っていた頃と今の日本を比べれば、ほとんどの人にとって「幸せ」は大幅に減退しています。
 実質賃金も正規雇用も年金も社会サービスも減り続け、税金だの保険料だの支払うものばかり増え続けています。
 そう考えると、「当時は当たり前だった事が今では『幸運』になってしまう」という、西武のこの企画は、時代の変化を反映しているのかも、などと思ったりしました。

2014年10月31日 18:50