2014年09月24日

ターゲットを絞ったマーケティング?

 ヤフーのトップに、 なめている?残業代求める若者という記事へのリンクがありました。
 題名からすると勘違いされそうですが、「仕事ができないから」などと言って残業代を払わない会社の事を労基法違反だと糾弾している、しごくまともな内容の記事でした。
 その記事に関するTwitterも、当然ながら違法行為をする犯罪企業に対して批判的でした。そんななか、一人、
能力不足の人間に残業代を払いたくないなんて、普通の経営者なら当然の思いだが、それができないのが労基法
と「逆張り」のツイートをしていた人がいました。名前の後に「社労士」と書いてあります。
 社会保険労務士の業務は多岐にわたりますが、その中で一番最初に挙げられているのは、労働社会保険諸法令に基づく申請書等及び帳簿書類の作成です。
 にも関わらず、「労働社会保険法令」の中でも極めて重要な労基法を敵視した発言をするのですから驚かされます。

 しかし、別にこのような社労士は珍しい訳ではありません。そのような考え方をベースに、「ブラック企業」の側に立って、働く人が苦しむような事をすすめる人は多々います。
 そのような事をする社労士などの国家資格保持者を指す「ブラック士業」という言葉すらあるくらいです。
 マーケティングで重要なことはターゲットを絞ることだ、と本には書いてあります。
 この社労士さんは、「ブラック企業」をターゲットにして商売をしているのでしょう。仮に、「ブラック企業」の労務担当者がこのツイートを見れば、この人の事務所に問い合わせを入れるかもしれません。
 そういう意味では、適切なマーケティングを行っていると言えるのかも、と思いました。
 その点では評価はできるのかもしれません。とはいえ、やはり社労士としての知識を、「ブラック士業」に使い、あのようなツイートをする姿勢には一片の好感もおぼえることはできませんでした。

2014年09月24日 00:37