2014年09月19日

値下げで集客増

 昨日、ヤフーのトップに宮崎の低迷高速バス、運賃半額で利用7倍というニュースが出てきました。
 宮崎から延岡まで、高速道路開通に合わせて高速バスを2,000円で運行したところガラガラだったのが、1,000円に値下げしたら利用者が920人から6,408人と、7倍に増えた、というものでした。
 要は、約5,500人もの人が、別の手段から高速バスに移動したわけです。いったい、その人達は、これまでどんな交通手段を使っていたのだろうか、と気になりました。

 そこでヤフーの路線検索で調べたのですが、それを見た時はちょっと驚きました。
 鉄道で行くと、各駅停車で1時間半かかり、1,640円です。特急を使えば、1時間で着きますが、運賃は2,580円です。
 それに対し、高速バスは1時間51分で、なんと鈍行列車より遅かったのです。そのうえ、運賃がそれより高い2,000円だったわけです。確かに、これなら客がつくわけがありません。
 一気に1,000円まで下げる、というのはかなりの覚悟だったと思います。そして結果的には成功したわけです。
 とはいえ、このデータを見る限り、どう考えても、初期の料金設定がおかしすぎた、としか言いようがありません。
 ヤフーのトップに載ったという事は、かなり多くの人がこの記事を見たことでしょう。
 その人達が、この「もともとの料金設定がおかしすぎた」という事に気づかず、「やはり値段を下げれば客が増え、結果的に利益も上がる」と誤解してしまうのでは、と思いました。
 そして、そのような「もっと値下げすべきだ」という風潮ができてしまうと、現在の「アベノ不況」は、より一層深刻になるのでは、と不安になりました。

2014年09月19日 23:20