2014年08月12日

「まんだらけ」問題

 ここ数日、ヤフーのトップに「まんだらけ」の名前をよく見ます。
 なんでも、25万円相当の商品を盗んだと思われる人を監視カメラで撮影しており、その顔を現在、モザイクをつけてサイトに公開しているとのことです。
 そのモザイクを外し、「素顔」をネットに公表すると発表し、それが話題になったとのことです。
 それに対し、警察はやめるように言っています。当たり前の事ですが、「まんだらけ」には警察権などありません。「容疑者」の顔を公開して「指名手配」する権利があるのは、警察だけです。
 これに対し、「まんだらけ」を擁護する声があるのですから驚きです。
 被害にあったのは事実ですが、それを取り戻すには、法律に則って正式な手続きをする必要があります。仮に、その監視カメラに写った人が窃盗犯とほぼ同時に店に出入りした別人だとしたら、「まんだらけ」はどう責任を取るのでしょうか。
 だいたい、この会社が他人の犯罪を「裁く」など笑い話でしかありません。
 何しろ、この会社には、社員に「サービス残業」という名の「タダ働き」を強要したという「前科」があります。そこで裁判所に支払を命じられた金額は未払い賃金だけで223万円でした。
 どうしても「悪人の顔を晒す」という欲求を実現したいのならば、25万円で本当に犯人かどうか分からない人でなく、この223万にものぼる未払賃金の最終責任者である社長をはじめとする責任者9~10人分の顔をサイトに晒せばいいのではないでしょうか。
 これなら、警察も何ら文句は言いません。

 中野ブロードウェイにこの店ができた頃は、わざわざ足を伸ばして通っていました。最初に支店を出した時も、ちょっと嬉しく思ったりしました。
 しかしながら、今では店の前を通りかかっても入ろうとする気すらおきません。あのような面白かった店が、法律も社会常識も無視する「ブラック企業」になってしまった事の寂しさを改めて思わされた一件となりました。

2014年08月12日 23:52