2014年08月01日

独り立ちする瞬間を見る

 久々に千葉駅に出ました。
 改札を出たら、いきなり、甲高い鳥の鳴き声が聞こえてきました。声の出処に目を向けると、床の上にツバメの幼鳥がいました。
 真上を見ると、ツバメの巣があり、兄弟と思われる幼鳥が三羽いました。一方、床の上の幼鳥はひたすら鳴き続けています。どうやら、何かのはずみで、巣から落ちてしまったようです。
 その近辺を、親と思しきツバメが飛び回っていました。
 これが雛だったら、親がくわえて巣に戻せるのかもしれません。しかしながら、親鳥とさほど変わらないくらいの大きさに成長しており、それはできません。

 自分達を含め、心配した人がその様子を見ていました。その中の一人が駅員さんを呼びました。駅員さんなら、脚立などを使って、幼鳥を巣に戻せるだろうと思ったのでしょう。
 そして、駅員さんが来たのですが、ちょうどその直前に、さっきまで床で動かずに鳴き続けた幼鳥が飛び立ちました。そして、親鳥が止まっている、天井から下がっている監視カメラの所に止まりました。
 つまり、いくら鳴き続けても助けは来ない。ならば自力で、と悟ったわけです。
 それまではずっと、巣で鳴いていれば何とかなったわけです。それがいきなり、床の上という、これまでと全く違う環境に立たされました。
 そして困り果てた結果、自力で飛ぶ、という方法に気づいたわけです。
 ツバメの本能といえばそれまでです。しかしながら、その困って泣き叫ぶ状態を、生まれて初めて自力で翔ぶことにより解決した、という瞬間に立ち会えたわけです。その経緯をずっと見ていたこともあり、ちょっと感動的な気分になることできました。

2014年08月01日 23:55