2014年06月30日

国会前異状なし?

 明日の閣議で「集団的自衛権」(※「自衛」という言葉がありますが、日本国民の安全を守る事とは何ら関係はありません。逆に日本人の死者を増やす「権利」です)の憲法解釈を変える、という事を安倍内閣が計画しています。
 それに対し、首相官邸前には主催者発表で4万人もの人が抗議行動を行いました。
 しかし、一部の局を除き、夜のTV ニュースではほとんど報じられませんでした。
 また、Googleニュースを見ても、Yahoo!のトップを見ても、このことは一切書かれていません。
 そういう事もあり、日本人のほとんどは、このような事が行われている事を知らないのでしょう。

 実際に読んだことはないのですが、有名な戦争小説に「西部戦線異状なし」があります。兵士である主人公が様々な目にあった上で戦死するのですが、その日の軍の報告は「西部戦線異状なし」だった、という話です。
 つまり、その主人公一人の戦死など、偉い人にとっては、あってもなくても変わらない、どうでもいい事だった、というわけです。

 今日の官邸前に関するTVやネットの報道を見て、この言葉を思い出しました。彼らにとっては「国会前異状なし」なのでしょう。
 もし、「集団的自衛権」に日本が加わったら、戦死したり、手足がちぎれ飛んだり、精神に異常をきたして自殺したり、家族を撃ち殺したりする、というアメリカで起きている事が日本でも発生する事になるでしょう。
 しかしながら、大手マスコミのほとんどにとっては、そんな事はどうでもいい事なわけです。それゆえに、このような報道がなされているのでしょう。
 今回の件がどのような結末を迎えるかわかりません。ただ、いずれにせよ、今日、このような抗議があった事は、自分の心に刻むべきことだと思っています。
 というわけで、今日の国会前は、決して「異状なし」ではなかった、という事をここに記しておきます。

2014年06月30日 23:59