2014年04月01日

何を考えて作ったか理解不能な制度

 消費税の増税にあわせ、各交通機関が、ICカードと切符の二重運賃制度を始めました。
 同じ区間に乗っても、ICカードで支払えば1円刻みになり、切符を買ったり現金で払えば10円刻みになるというものです。
 当初、ICカードだと一律端数が安くなる制度だと思っていたのですが、今日、区間によってはICカードのほうが高くつく場合もある、という話を聞いて、驚きました。
 たとえば、JR東日本の場合、「電車特定区間」と呼ばれる大都市圏の場合、切符を買った場合、運賃の10円未満は切り上げとなります。したがって、この区間だと確実にICカードのほうが安くなります。
 ところが、それ以外の区間だと、10円未満は四捨五入するとのことです。したがって、たとえばこれまで140円だった区間は、ICカードだと143円ですが、切符だと1桁切り捨てで140円となり、ICカードのほうが高くなります。

 なお、一見すると、140円に8%かかるのだから税込み価格は151円では、と思ってしまいがちです。しかしながら、昨日までの140円は「本体価格」を1.05倍した運賃、という事になります。
 したがって、140円区間の「本体価格」は133円となり、上記の運賃となるわけです。
 この「電車特定区間」と「その他の区間」の境界の駅として、千葉駅があります。そのため、千葉駅から一つとなりの駅に行く際、「電車特定区間」である西千葉駅に行く場合はICカードのほうが安いが、「その他の区間」である東千葉駅や本千葉駅に行く場合は、切符のほうが安くなる、などという現象が発生するのです。
 ほかにも、JR東日本のサイトには「ともに『電車特定区間』である西千葉から海浜幕張に行く場合でもICカードのほうが高くなる」という事例が理由とともに掲載されていました。
 これを見たときは、よくもまあ、こんなレアケース調べ上げられたものだ、と別の意味で感心してしまいました。

 JRとしては、「電車特定区間の切符は切り上げ、その他の区間の切符は四捨五入したほうが利益が出る」などという制度を設ける何らかの理由があるのでしょう。
 しかしながら、外部の人間としては想像を絶する思考法としか言いようがありません。
 まあ、当分の間、「その他の区間」を利用するのは、サッカーや映画を見に、蘇我に行くときだけです。
 その際は、ICカードのほうが切符より3円安いという事だけは確認しました。
 したがって、自分にとってはこの「新システム」で特に困ることはありません。
 とはいえ、よくもまあこんな奇妙な「ルール」を作ったものだ、驚かされました。

 その努力にはとりあえず敬意を表しますが、それ以前の問題として、この消費税増税は、仕事の上でも生活の上でも大変な打撃になっています。
 苦労してこの制度を作り上げたJR東日本の人には悪いのですが、一日でも早く消費税率を元の5%に戻し、運賃体系も元に戻してほしいものだ、と強く思いました。

2014年04月01日 22:26