2014年02月22日

机上の空論を堂々と論じれる人

 大阪のほうで、何かあるごとに「泉北高速鉄道と市営地下鉄御堂筋線を直通運転させる」という主張をする人達がいます。
 この二つの鉄道、中百舌鳥という駅で乗り換えが可能で、どちらも電車が走っています。しかしながら、その造りは根本的に違います。
 泉北高速鉄道は、一言で言えば、JRの在来線と全く同じです。線路の幅はほぼ1mで、天井にあるパンタグラフから電気を得ます。
 一方、御堂筋線の線路の幅は約1.4mです。そして、線路脇に設置されている電気供給用のレールから電気を得ます。

 つまり、この二つの路線を直通させるには、線路の幅および集電装置をどちらかに統一する大工事をする必要があります。もしくは、双方の規格に対応する特別な電車を建造せねばなりません。
 さらに、現在地上にある泉北高速鉄道の中百舌鳥駅と、地下にある御堂筋線の中百舌鳥駅をつなげる工事もしなくてはなりません。
 それだけ莫大な費用をかけ、両線を直通運転させて、ではどのくらい便利になるのでしょうか。
 実はなんと、泉北高速鉄道沿線から難波に行く時間はむしろ遅くなってしまうのです。
 既に、泉北高速鉄道は南海電鉄と直通運転をしています。直通電車は南海線内では区間急行や準急になり、中百舌鳥と難波の間を18分で結んでいます。
 一方、御堂筋線は普通電車しかないため、同じ区間を23分で結んでいます。南海並みの速度にするため、前の電車を追い抜ける準急や急行を走らせるには、これまた大改造して通過駅を作らねばなりません。
 このように、関東在住の元鉄道ファンである自分ですら、ちょっと調べればこのように「泉北高速鉄道と御堂筋線の直通運転などありえない」などという事はすぐに分かるわけです。
 ところが、そのような戯言としか言いようのない主張を、なんと現職の大阪府知事が人前で語っているわけです。
 そのような無知もしくは虚言症を持つ人間が知事であること、そして、彼およびその「上司」である大阪市長が何度このような戯言を言っても、このような問題点を指摘しないマスコミの双方の異常さには、毎度の事ながら心底呆れました。

2014年02月22日 01:46