2013年12月28日

横綱昇進基準に日本人特例?

 昨日のスポニチに、横審委員長明言 稀勢の綱獲り「14勝ならOK」という記事が載っていました。
 先場所、稀勢の里関は13勝で準優勝でした。大関の横綱昇進基準は「2場所連続優勝。もしくはそれに準じる成績」です。普通に解釈すれば、連続優勝するか、「準優勝した翌場所に優勝、優勝した翌場所に準優勝」となります。
 しかしながら、スポニチには「14勝して優勝決定戦で負けても、その場合は昇進OKとなる」「国産横綱の誕生は大方の相撲ファンの願望だ。稀勢の里には何としても綱を張ってほしい」と書かれていました。
 これが事実なら、横綱審議委員会委員長氏は、日本人を横綱にするためなら、ルールを曲げてもいい、と宣言した事になります。

 話は飛びますが、先日、将棋で里見さんという女性の奨励会員(プロを目指している人。相撲界では幕下や三段目に相当)が、プロの一歩手前である「三段」になった、というニュースを見ました。
 彼女は、奨励会入会後、男性と全く同じ環境・同じ昇進基準で将棋に勝ち、そこまで到達しました。

 しかし、40年ほど前は違いました。とある将棋の強い女性が、同様に奨励会員になりました。
 その際、彼女の話題性を高めるため、「女性専用の昇進基準」が作られました。
 同じ成績でも男性なら上がれない所、彼女は「女性だから」という理由で昇進できてしまったわけです。
 当時は「女性は将棋に向いてない」という考えが幅をきかせており、このような「特別ルール」が設定されたわけです。

 冒頭の横審委員長の話を聞いた時、この逸話を思い出しました。そして、40年前の将棋界における「女性」が、現在の相撲界における「日本人」になっているのだな、とも思いました。
 確かに、最後の「日本人横綱」た誕生してから15年以上経ちます。それ以降の新横綱は、全て外国人です。
 だからといって、昔の「女性奨励会員」みたいな「特例」を作ってまで、「日本人横綱」を誕生させようとする発言は、稀勢の里関を始め、多くの人に対して失礼だと思いました。
 同時に、なんで横綱審議委員というのは、いつまで経っても、ろくでもない人間ばかりがなるのだろうか、と毎度の事ながら呆れました。

2013年12月28日 23:54