2013年11月09日

「人は潜在能力の2割しか使っていない」の意味

 よく、人間は自分の持つ能力の2割しか使っていない、という言説を聞きます。
 30年ほど前に流行った漫画では、その設定を活用するヒーローが少なからずいました。「北斗の拳」のケンシロウは、「俺は100%使うことができる」と豪語し、「キン肉マン」は、「火事場のクソ力~!」と叫ぶことにより、残りの8割の力を出して勝利していました。
 子供の頃は、それを見て、「人間の潜在能力ってすごいんだな。また、人気漫画家は、その設定をうまく使うものだ」などと感心していました。
 しかしながら、しばらくすると、「普段は2割しか使わない」の意味がわかってきました。
 たとえば、普段は歩いて10分かかるところでも、非常に急いでいる時なら、全力疾走して半分以下の時間で着くことが可能です。要は、普段は持てる力の2割しか使っていないわけです。
 しかしながら、ケンシロウのように、普段から100%使ってしまっては大変な事になります。普段から歩くかわりに全力疾走していれば、あっという間にバテてしまいますし、足も痛めてしまいます。
 「火事場のクソ力」の同様で、確かに、いざとなると、普通に考えればありえない重さの物を持つことはできます。しかしながら、それを毎日のように持ち運んだら、やはり体を痛めてしまいます。
 そのあたりに気づくようになってからは、「普段は2割しか使っていないから、残りの8割も使えば凄いことができる」という言説がいかに胡散臭いかが分かるようになりました。
 そういう事もあり、啓発系の話で、「貴方の潜在能力を活かす」だの「貴方の潜在意識を開放すれば」などという言葉を見ただけで、とりあえず「眉唾もの」と判定するようにしています。

2013年11月09日 23:29