2013年09月26日

神様のベレー帽

[ 漫画 ]

 一昨日、「神様のベレー帽」という題名のTVドラマが放映されました。漫画に詳しい人なら、題名を見ればわかると思いますが、故・手塚治虫さんを題材とした作品です。「ブラック・ジャック」を連載していた頃の逸話を題材としていました。
 先日も書きましたが、実写のフィクションを30分以上見ると飽きてしまう体質です。したがって、途中からとはいえ、TVドラマを1時間近く観るなど、かなり久しぶりです。ひょっとしたら今世紀に入って初かも知れません。
 しかしながら、別にドラマが優れていたわけではありません。
 もともと、このドラマの存在を知ったのはツイッターでした。「ブラック・ジャック」掲載時に、同じ雑誌で連載していた、吾妻ひでおさんのツイートが面白く、「元ネタ」として見たくなったのです。
 吾妻さんのツイートは絶妙で、ドラマで「手塚先生は原稿を落とさなかった」などという描写があると、即座に「嘘です。私、代原(※本来の連載作家が原稿を落としたため、穴埋めとして掲載される読み切り漫画)描かされました。」というツッコミを入れる、と言った具合です。
 他にも、色々な漫画家さんのツッコミを見ました。中には、中学時代大好きだったものの、その後、縁遠くなった漫画家さんのツイートなどもあり、「そうか、まだお元気でやっているのだな」などと再会(?)を懐かしんだりもしました。

 ところで、この作品の終盤で、草なぎ剛さん扮する手塚治虫さんが、アニメーションのスタッフに「私ができるのだから、貴方にもできますよ」という場面がありました。
 これは、このドラマの「決め台詞」らしく、何度か繰り返して流されました。
 しかし、見ている方としては、「そんなわけあるかい!」としか言いようのない、典型的なツッコミどころとしか思えませんでした。
 もちろん、当時すでに手塚さんは、「漫画の神」の異名を持つ、日本を代表する漫画家だったわけです。本人にとっては、それでいいのかもしれませんが、言われたほうにとってはたまったものではないでしょう。
 このドラマを作った人が何をもって、この台詞を使ったのかわかりません。とはいえ、こんな無茶かつ、他人に無理を強いる台詞はないのでは、と思いました。
 まあ、元々ツッコミを観るためにつけたドラマでした。その目的は十二分に達せられたと言えるでしょう。そういう意味では、「見る価値のあった作品」でした。

2013年09月26日 23:58